と言っても製造は業者に依頼ですが。
Kailh chocを使っている理由
長らくHHKB Lite2を使っていてキーの配置が大好きなのですが、キーボードの背が高いのが不満。そこで背の低いキーボード、いわゆるロープロタイプのキーボードを自作しました。
ロープロファイルキースイッチはどうやら種類が少なく、その中でKailh chocのV2でない方を使ってます。決め手は遊舎工房さんで売っていたから。V2も売ってますけどV2でない方(V1と呼びます)より少し背が高くなるとどこかで見た気がした。
あの子が欲しい、EK820のキーキャップ
サンワサプライでロープロファイルのキーボードが売られていて、それを買った話はこちらに書きました。欲しいキーとキーキャップ
このキーボードの原型はどうやらDAREUと言うメーカーのEK820という製品の様ですが、DAREUのサイトには載ってないですね。あちこちにOEMで出している様で、サンワサプライのもEK820のOEMに間違いないと思います。
サンワサプライのキーボード400-SKB057BLのキーキャップを使いたいのだけど使えない。だったら作るしかないか、ということで作ることにしました。
キーキャップの作り方
随分調べて3Dプリントに決定。せっかくなので調べたことのまとめを簡単に。
- 射出成型・・プラスティック加工の王道。金型を作って、溶けたプラスティックを型に流し込んで成形する。量産向き。どう頑張っても10万以上はかかる。
- CNC加工・・プラスティックの塊から削り出す。射出成型より安いけど、数万円は必要そう。
- 3Dプリント・・一点ものに向いている。千円台で作れるが、数十個作ると高くなる(と言うか安くならない)。
あと、射出成型と3Dプリントは自分で機械を買って作ることも出来ますが、そこまではしないかな。
試作あれこれ
手元にある400-SKB057BLのキーキャップを測量(って言わない???)して3Dモデルを作成。どうせなら色々試作したいと思って、いろんなパターンを作ったら30パターン以上になった。さすがに30パターン作ったら高く付きそうで、絞り込みました。
底面(横) | 底面(縦) | 天面(横) | 天面(縦) | 天面の高さ(手前) | 天面の高さ(奥) | メモ |
17.5 | 17.5 | 12.5 | 14 | 5 | 6 | 最上段、傾き強め |
17.5 | 17.5 | 12.5 | 14 | 5 | 5.5 | 最上段 |
17.5 | 17.5 | 12.5 | 14 | 5 | 4.5 | 中段 |
17.5 | 17.5 | 12.5 | 14 | 6 | 4.5 | 下段 |
17 | 17 | 12.5 | 14 | 5 | 5 | フラットタイプ |
16 | 16 | 12.5 | 14 | 4.5 | 4.5 | フラットタイプ |
15 | 15 | 13 | 11 | 4.5 | 4.5 | カーソルキー |
26.5 | 16.5 | 23.5 | 14 | 6 | 4.5 | 1.5Uかまぼこ型 |
45 | 16.5 | 41 | 14 | 6.5 | 5 | 2.25U スタビライザー対応 |
参考にしたキーボードがステップスカルプチャー形状だったので、上段/中段/下段を用意。でもできれば上段/中段/下段で同じ形にしたいので、フラットタイプを用意。
キーの左右端から中央にかけて凹みがある(シリンドリカル形状)なので、それを再現。でもスペースキーはかまぼこの様に膨らんでいるので、それも用意。スタビライザーも必要。
他にも若干の要素を9種類に詰め込み、3Dモデル作成。OpenSCADを使いました。初めてのことで結構大変。
試作品
製造はみんな大好きElecrowに発注しました。発注するときにもいろいろありましたが、それはまた今度。設計したものが形になると嬉しい、楽しい。
写真はないけど、キースイッチに取り付けた場合の高さはKailh chocと同じにしました。裾を長くというかキャップの高さを出しつつ、でも高さを抑えたいので、裾を下方向に伸ばしてます。底打ちするとトッププレートに1mmまで近付きます(Kailh chocは2mm)。
試作品の評価
まずはステップスカルプチャー
左側から撮影したので、手前側が右端。手前のキーキャップだけかまぼこ型。
何度か触った感じでは、別にステップスカルプチャーじゃなくてもいいかな。試作の数が少ないので本格的に使ってないけど、そんな感じ。
フラットタイプ
これは右側から撮影。左端が手前側ですね。これで問題ないかな。
シリンドリカル形状
分かりにくいのですが、手前の右から2つは凹みが1mm。その他のが0.5mm。
1mmと0.5mmの差は良く分かる。1mmは若干深い気がするものの結構良い感じ。0.5mmは参考にしたサンワサプライのより浅い感じで、メリハリが足りない。
かまぼこ型
いい感じ。だけど、膨らませる意義が分からないw
16mmサイズと17mmサイズ
フラットタイプ以外は17.5mm。これとの比較です。ちなみにサンワサプライのは18mm、Kailh chocのは横17.5mm x 縦16.5mm。
17mmは17.5mmと差がないですね。16mmはやや小さい感じ。表の通り、天面のサイズは同じですが、目で見ながら触ると16mmは小さい感じがします。
天面のサイズ
カーソルキーは底面が15mmで、天面はHHKB Lite2と同じ13mm x 11mmにしました。それ以外のは12.5mm x 14mm。どらも問題なし。なお、HHKBのカーソルキーの底面は縦が12.5mmで、Kailh chocの15mmより小さいです。
まとめ
試作品を評価した結果です。
- ステップスカルプチャー形状は不要。フラットタイプでOK
- シリンドリカル形状の凹みは1mm、マイルドにするなら0.8mmくらいかな
- 底面のサイズは17mmは問題なし、16mmも多分OK、15mmの場合は天面のサイズ調整が必要
- 天面は12.5mm x 14mmでよい(サンワサプライのと同じサイズ)
狭ピッチにする場合、16mmのキーキャップにすれば17mmピッチが実現できると思います。それより狭くする場合は、天面も小さくする必要がありそうです。